サイエンス

太陽系の最果てに存在する天体「ファーアウト」が発見される、初観測は日本の「すばる望遠鏡」


国際天文学連合の下部組織小惑星センターが2018年12月17日、これまでで最も太陽から遠く離れた太陽系の天体が見つかったことを発表しました。発見された天体「2018 VG18」は地球と太陽の距離の100倍以上も離れた場所を公転しており、「Farout(ファーアウト)」の愛称がつけられています。

Discovered: The Most-Distant Solar System Object Ever Observed | Carnegie Institution for Science
https://carnegiescience.edu/node/2428

ファーアウトはカーネギー研究所の研究者であるScott S. Sheppard氏らによって発見されたもので、直径が約500kmの準惑星に相当する天体とみられています。2018年11月10日、ハワイのマウナケア山頂にある日本のすばる望遠鏡がその存在を発見し、その後チリにあるラスカンパナス天文台マゼラン望遠鏡が観測を続け、軌道や明るさ、色などが調べられていました。


天文学の世界では太陽と地球の距離を「天文単位(AU)」と換算して天体の距離を表しており、観測の結果、太陽とファーアウトの距離は120AUにも達することが判明。これまで見つかっていた最も遠い天体は、約38AU~98AUの楕円軌道を持つ準惑星エリスで、ファーアウトは史上初めて見つかった「100AU以上離れた太陽系の天体」ということになります。

太陽系の距離関係を表したのが以下の図。一番左で輝いているのが太陽で、地球はそこから数画素数だけ離れた場所に位置。2006年に惑星から準惑星に格下げされてしまった冥王星は34AUで、ファーアウトはその3倍以上も離れた場所にあります。


ファーアウトは自身の重力で球体になれるだけの質量を有する準惑星で、直径は約500km。外観はややピンクがかった色に見えるとのことで、これは太陽から離れていて氷を多く含有する天体であることを意味しているとのこと。太陽の周りを一周するのに要する期間「公転周期」は約1000年とみられています。研究チームの一員であるDavid Tholen氏は「今のところ2018 VG18に関してわかっていることは、太陽から極めて遠く離れていることと、そのおよその直径、そして色だけです」と述べ、軌道を計算して完全に特定するまでにはまだ何年もかかるという見通しを示しています。

この発見は、未知の太陽系第9惑星「プラネット・ナイン」を含む、太陽系に属する遠く離れた天体に関する研究の中でもたらされたもの。ちなみにプラネット・ナインは位置関係などの条件のために発見までにはあと1000年程度の時間がかかると考えられています。

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log